ブログ

樹木葬や納骨堂など、継承者不要のお墓が人気。【データから考えてみよう⑪】

樹木葬や納骨堂など、継承者不要のお墓が人気。鎌倉新書が2023年1月に実施した「第14回 お墓の消費者全国実態調査(2023 年)」の調査結果から

 

 

  • 樹木葬とは
  • 樹木葬のシェアが過半数を超え、お墓の一形態として既に定着
  • 納骨堂が一般墓を超え、一般墓の選ぶ人が減っている
  • 継承者不要が今後のお墓選びで大事になってくる

 

それぞれ一つずつみていきたいと思います。

 

 

樹木葬とは

 

樹木葬(じゅもくそう)は、墓石の代わりに樹木を墓標とする墓。樹木葬墓地(じゅもくそうぼち)、樹林墓地(じゅりんぼち)とも呼ばれます。

樹木葬は、墓地、埋葬等に関する法律による許可を得た墓地(霊園)に遺骨を埋葬し、遺骨の周辺にある樹木を墓標として故人を弔う方法です。墓地の中央にシンボルとなる樹木(シンボルツリー)を植え、その周辺の区画に遺骨を埋葬します。

樹木葬墓地は1999年に岩手県一関市で祥雲寺が申請し許可された民間霊園「樹木葬公園墓地」が日本初です。

(出所)Wikipediaから一部引用

 

 

樹木葬のシェアが過半数を超え、お墓の一形態として既に定着

 

(出所)鎌倉新書 第13回 お墓の消費者全国実態調査(2023年)

 

樹木葬は1999年に日本で初めて申請許可され、一般墓に比べ歴史はまだ浅く25年弱程度です。しかし2023年に行われた調査によると、既に2022年にお墓を購入された人の半数が樹木葬を選んでおり、ここ数年で一気に社会的な認知度もあがり、購入者が増加傾向にあります。既に一般墓、納骨堂同様にお墓の一形態として定着したことを表すデータと言えます。

 

 

納骨堂が一般墓を超え、一般墓を選ぶ人が減っている

 

(出所)鎌倉新書 第13回 お墓の消費者全国実態調査(2022年)

 

2022年に購入したお墓の種類は一般墓が19,1%、納骨堂が20,2%と調査会社がデータを取り始めてから初めて、納骨堂を購入した人が一般墓を購入した人より多くなりました。

2018年までは一般墓を購入する人の割合は46,7%でしたが、この5年で一般墓を購入する人の割合は19,1%と半減し、この半減した25%の人は、樹木葬に15%強が樹木葬に流れ、5%弱が納骨堂に流れた結果となっています。このことからも一般墓を選ぶ人は急激に減っている状況です。

 

 

継承者不要が今後のお墓選びで大事になってくる

 

(出所)鎌倉新書 第13回 お墓の消費者全国実態調査(2023年)

 

今回の樹木葬も、納骨堂も基本的には継承者を必要としません。一代限り、永代供養が前提となっており、お墓を守る人=墓守と呼ばれる人を必要としていません。

また実際の調査データからも、「購入したお墓の後継ぎについて」という調査項目でも、後継ぎがいる人は2022年に比べ2023年は4,9%減り、「後継ぎが不要なお墓を購入した」という調査項目でも2022年に比べ2023年は4,2%増えました。一年間で4,2%の承継者不要のお墓を購入した人が増えたことになります。こちらについては、以前より指摘されていた地縁血縁の共同体の希薄化、また急激な家族形態の変化が大きく影響を与えていると考えられます。また子供がいるケースでも「子供に迷惑をかけたくない」と考える人が増えているようです。

 

暑さ寒さも彼岸までと言われていますが、まさに今は春のお彼岸の時期です。私もお墓参りに行ってきました。悪天候にも関わらずたくさんのお墓参りに来る方とすれ違い、ご挨拶をしました。確かにお墓参りは時間も労力もかかりますが、お墓参りをすることで故人を思い出し、それが心の癒しや明日への糧になる人もいるでしょう。このような心の交流と祭祀財産としてのお墓を今後分けて考える必要が増えるかもしれません。

 

関連記事

ページ上部へ戻る