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【65歳以上】の世帯で単独世帯が増加、要介護者は80代後半~90代が53%【データから考えてみよう⑭】

65歳以上の世帯で単独世帯が増加、要介護者は80代後半~90代が53% 国民生活基礎調査の概況 厚生労働省発表資料から【データから考えてみよう⑭】

 

先日、2022(令和4)年 国民生活基礎調査が発表され、新聞やテレビで、児童がいる世帯が初めて1000万世帯を割った記事をご覧になった方も多いかと思います。今回は少子高齢化の「高齢化」に焦点をあて、「65歳以上」のデータに焦点をあて、現状をみていきたいと思います。

 

  • 高齢者世帯が全世帯に占める割合が初めて3割を超えました
  • 単独世帯の伸び率が2021年と比べ8%と急激に増えてきています
  • 男女とも80代になると、「子夫婦」と同居が増えてくる現実。子供の有無が80代以降で家族形態に変化が現れてきます
  • 要介護者は80代後半~90代が53%を占めています。親の介護が実際必要になるのは80代以降?

 

それぞれ一つずつみていきたいと思います。

 

高齢者世帯が全世帯に占める割合が初めて3割を超えました

 

2021年には1506万世帯だった高齢者世帯が、わずか一年後の2022年には1693万世帯187万世帯増加し、全世帯に占める割合が、2021年の29%から31.2%へと2.2%増加し、初めて3割を超えました。今回のデータは65歳以上の世帯の占める割合なので、65歳以上の人口が総人口に占める割合ではありませんが、2020年の時点で総人口に占める割合が28,6%です。日本は世界一の高齢化社会です。

 

※超高齢社会とは

WHO(世界保健機関)と国連の定義に基づき、65歳以上 の人口(老年人口)が総人口(年齢不詳を除く)に占める割合(高齢化率)が21パーセント超の社会のこと。 なお、65歳以上人口の割合が7パーセント超で「高齢化社会」、同割合が14パーセント超で「高齢社会」という。

 

(出所)2022(令和4)年 国民生活基礎調査

 

 

単独世帯の伸び率が2021年と比べ2.8%と急激に増えてきています

 

2001年から2022年までは65歳以上の者がいる世帯では「夫婦のみ」の世帯が他の世帯構造よりも多い状態が続いています。しかし2022年には単独世帯が31.8%、夫婦のみ世帯が32.1%とわずか0.3%の僅差となっています。単独世帯は2021年の28.8%から2022年には2.6%と大幅に増え31.8%です。これは、高齢で配偶者と死別や離別した人が、一人暮らしになったり、未婚者が65歳を迎えたことなどが考えられます。生活保護受給率も高齢者が一番高いことを考えると、生活の問題や介護の問題など今後増えてくることが予想されます。

(出所)2022(令和4)年 国民生活基礎調査

 

 

男女とも80代になると、「子夫婦」と同居が増えてくる現実。子供の有無が80代以降で家族形態に変化が現れてきます

 

性・年齢階級別にみると女性では、80代になると「夫婦のみ」の世代が70代の38.2%から19.1%へとほぼ半減します。男性の平均寿命は2019年現在81.41、女性は87.45です。平均寿命が影響していると考えられますが、80代の夫婦が共に過ごせるのは、全体の2割弱です。もし80代を夫婦共に過ごせたら、それはとても幸運なことなのかもしれません。そして男女とも80代になって増えてくるのは「子夫婦との同居」です。男性で10.2%、女性で18.2%になります。70代の女性では子夫婦との同居はわずか6.9%でしたから、80代では10%以上も子夫婦との同居が増えてきます。単独世帯は女性70代で26.4%、80代で34.6%となっており、増加率は8.2%です。子夫婦との同居の方が伸び率としては大きいです。また未婚の子と同居している人も合わせると80代では3割以上が子供と同居しています。近年、子供を持たない人が増えてきていますが、80代以降の後期高齢期を誰とどこで過ごすのかが大きな選択と課題になっていくのではないでしょうか。

(出所)2022(令和4)年 国民生活基礎調査

 

 

要介護者は80代後半~90代が53%を占めています。親の介護が実際必要になるのは80代以降?

 

最近では、元気な高齢者が増えてきている印象を受ける方多いのではないかと思います。生涯現役でお仕事をされている人も増えてきていますし、スポーツジムなどでも軽やかに汗を流し、姿勢のよい元気な高齢者の方を目にする機会が多いです。

「要介護者等」の年齢階級別構成割合をみると2022年の要介護者は、85歳から89歳が27.1%、90歳以上が26.2%で53.3%です。これに関しては、私も正直驚いたのですが、要介護が必要な年齢が後ろ倒し(高齢化)になっています。80歳から84歳までの要介護者は、2001年から現在までさほど割合に大きな変化はありませんが、2001年には14.9%だった90歳以上の要介護者が、2022年には26.2%となり10%以上増えています。それに伴い、2001年には70歳から79歳までの要介護者は29.6%だったのが、2022年には20%と約10%も減少しています。

長寿化・高齢化に伴い、要介護者も高齢化している事実がわかります。

2025年に全ての団塊の世代が75歳を迎えますが、人口も多く戦後を生き抜いてきた勢いのある世代が新しい高齢者像を作っていくのではないかと期待したいです。

(出所)2022(令和4)年 国民生活基礎調査

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