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映画「PLAN75」から高齢化と終活について考えてみよう。【話題の映画・ドラマ・アニメブログ①】

映画「PLAN75」から高齢化と終活について考えてみよう。【話題の映画・ドラマ・アニメブログ①】

 

  • PLAN75の映画概要とあらすじについて
  • 安楽死と尊厳死の違い
  • リビングウイル・尊厳死宣言公正証書について
  • 日本国憲法25条で日本国民には生存権が認められています

 

それぞれ一つずつみていきたいと思います。

 

 

「PLAN75」の映画概要とあらすじについて

 

「PLAN75」は2022年の話題作、名優倍賞千恵子さんが主演し、第75回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション「ある視点」部門に正式出品され、早川千絵監督が「カメラドール 特別表彰」を授与された作品です。

本作品のあらすじですが、架空の現代。日本では高齢化問題の解決策として、75歳以上の高齢者に安楽死する権利(通称・プラン75)が認めら、78歳の角谷ミチ(倍賞千恵子)は身寄りのない未亡人だが身体は丈夫で、ホテルの客室清掃員として働いています。しかし、高齢を理由に解雇されるミチ。次の定職を見つけられず、生活保護にも抵抗のあるミチは、ついにプラン75を申請します。その後プラン75のコールセンターの担当者との交流、またもう一人の主人公、プラン75の職員である青年・岡部ヒロム(磯村勇斗)の叔父のプラン75の申請に寄り添う姿が描かれています。(出所)Wikipedia

全体的には倍賞千恵子さんのリアルな演技と舞台設定などの相乗効果により、素晴らしい作品に出来上がっていますが、高齢者が任意の選択という名の元、半ば半強制的にプラン75を選ばざるを得ないようなまさに今の高齢化問題に一石を投じる社会的作品となっています。

 

 

安楽死と尊厳死の違い

 

日本では、「安楽死」とは苦痛から患者を解放するために意図的・積極的に死を招く医療的措置を講ずることを指します。

一方、日本尊厳死協会が定義する「尊厳死」は、「自分が不治かつ末期の病態になったとき、自分の意思により、自分にとっての無意味な延命措置を中止し、人間としての尊厳を保ちながら死を迎えること」です。つまり尊厳死は自然死や平穏死と同義で、積極的な方法で死期を早める安楽死とは根本的に異なります。(出所)公営社団法人尊厳死協会のインタビューから抜粋

このように安楽死とは、意図的積極的に死を招く医療行為を行う事と理解されており、尊厳死とは、回復見込みのない不治の病となり耐えがたい苦痛を伴う場合に、延命治療を中止し、自分の人間としての尊厳を保ったまま死を迎えるという考え方です。日本では安楽死は認められておらず、今までの医師による安楽死は、刑法上、自殺ほう助罪に問われています。世界に目を向けると安楽死が容認されている国もあり、代表的な国ではスイス、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、カナダ、オーストラリア、アメリカの一部の州などがあります。

 

 

リビングウイル・尊厳死宣言公正証書について

 

「リビングウイル」とは「生前の意思」という意味です。日本尊厳死協会では、人生の最終段階における医療・ケアを自ら選択する権利が保障され最期まで自分らしく尊厳を保って生きることができる社会の実現を目指しており、協会が発行するリピング・ウイルは、事前に医療・ケアの選択について意思表示しておく文書です。医療現場への認知度は上がっているようです。また「尊厳死宣言公正証書」は公証人が作成する公的な書類です。公証役場のホームページに「尊厳死宣言公正証書」の案内もあります。

厚生労働所が平成30年3月に発表した「人生の最終段階における医療・ケアの 決定プロセスに関するガイドライン」では)本人の意思の確認ができない場合 本人の意思確認ができない場合には、「家族等が本人の意思を推定できる場合には、その推定意思を尊重し、本人に とっての最善の方針をとることを基本とする。」という文があり、本人の意思が尊重されることが明記されています。

 

 

日本国憲法25条で日本国民には生存権が認められています

 

「PLAN75」では少子高齢化が過熱し、高齢者が自分の選択という名目の元、社会的な圧力を感じ、無意識的に「PLAN75」を選択せざるをえない状況が描かれています。しかし日本には生存権を明記した法律があります。これはみなさんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

 

根拠となる法律:日本国憲法25条

第二十五条

すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。

国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

 

 

PLAN75は現在社会の問題点を真正面から向き合った意欲作ですが、センセーショナルな内容なので観る年代によっては、不愉快に感じ、気持ちが落ち込む方もいらっしゃるかもしれません。誰もがいつかは年をとり、高齢者と呼ばれる年代に入ります。その時自分はどうありたいのか、考えてみませんか。

 

 

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