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【エンディングノート】で墓じまいについて考えてみよう。【終活初めの一歩⑫】

【遺言相続初めの一歩⑪】ではエンディングノートでお墓について考えてみようというテーマでお話しました。お墓の役割とは、遺骨の納骨場所の役割、こちらは昔からよく言われている、死後の家としての意味、次に亡くなった人をしのぶ場所である役割、自分や家族の生きた証としての役割があるとお伝えしました。しかし現代では葬儀と同様、核家族化、家族形態の多様性により、「先祖代々」というイメージや、「子孫が継承する」という意識が弱まりつつあるようです。また現在のお墓事情についても従来の先祖祭祀から個人祭祀へと意識が変化しつつあり、それに伴いお墓も寺院墓地から霊園、納骨堂、散骨など多様化してきています。

今回は、エンディングノートで自分の墓じまいについて考えてみようをテーマにお伝えしていきたいと思います。

 

 

 

エンディングノートで墓じまいについて考えてみよう

 

 

  • 墓じまいとは
  • 墓じまいをする3つの理由
  • 墓じまいの手順

 

それぞれ一つずつみていきたいと思います。

 

 

墓じまいとは

 

 

墓じまいとは、墓を守る後継ぎがいない、お墓のある場所が遠くてなかなか行けないといった方が現在のお墓を撤去し、近くの墓地や永代供養墓地に移転したり、海洋葬や樹木葬などの自然葬にすることを言います。

また、墓地に埋葬されているご遺骨を他の墓地や納骨堂に移すことを「改葬」といいます。改葬には所定の手続きが必要となります。

 

 

墓じまいをする3つの理由

 

 

①お墓を守る後継ぎがいないケース

民法897条でもお墓は「祭祀に関わる権利」として、「慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。」と記されていますが、現在、単身者や、子供のいない夫婦が増加し、家族形態が多様化し、祭祀を主催すべき者がいないケースも増えてきました。

 

 

②お墓が遠方にあり、定期的にお墓参りをするのが難しいケース

地縁血縁のつながりが強かった時代は、人は生まれてから死ぬまで同じ土地で過ごすことが主流でした。しかし現在では進学や就職で、生まれ育った土地ではなく別の土地で生活を始め、そのまま就職、結婚などのライフイベントを迎え、その土地に住み続けるなど、移動の流動性も高まっています。そのためお墓のある場所と自分の住んでいる場所が物理的に離れているため、お墓を守るのが難しいケースも増えてきました。また高齢になり、体力的な問題でお墓を守るケースが難しくなることもあります。

 

 

③経済的な問題

お墓を管理維持するには、お金がかかります。毎年、年間会費、管理費、お布施などを納める必要があり、これを何十年も続けるのは結構な出費となります。またこのような負担を子供世代に負担を軽減するために、親が自分の世代で墓じまいを行うケースもあります。

 

 墓じまいの手順

 

①移転先の墓地の管理者から「受け入れ証明書」を発行してもらいます

②現在埋葬されている墓地の管理者から「埋葬証明書」を発行してもらいます

③墓地のある市区町村役場に、改葬届を提出し「改葬許可証」を発行してもらいます

④改葬元墓地の管理者に「改葬許可証」を提示し、ご遺骨を取り出します

⑤墓石の「御魂抜き」の法要を行います。

※御魂抜きとはお墓から仏様の魂を抜いて、元の石の状態に戻す「閉魂法要」のことをいいます

⑥改葬先墓地の管理者に「改葬許可証」を提示し、ご遺骨を埋葬します

その際、墓石の「開眼供養」を行います

 

 

墓じまいの手続きは、移転元、移転先で取得が必要な書類もあり、手続きが少し複雑です。こちらの墓じまいの手続きに関しては、行政書士が代理申請をすることも可能です。

 

 

今回は墓じまいについてみてきました。お墓を維持するには強い使命感、意志、目的が必要です。また同時に物理的にお墓を守れる距離であること、お墓を維持するために発生する経済的な負担に耐えうることも必要となります。時代が大きく変わる中で、今後も墓じまいは増えていくと予想されます。

しかしお墓に対する想いは、みんな違いますから、墓じまいを考える際は、必ず家族・親族と話し合い、合意をとることをお勧めいたします。

終活についてセミナーなども開催しています。お困りごとがありましたら、お気軽にお問合せください。

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