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遺言書の種類と作り方【遺言書初めの一歩③】

【遺言書初めの一歩②】では「遺言書を書いておいた方がよい人はどんな人?」というテーマでした。主に子供のいない夫婦、相続人の中に認知症や後見人がついている人、相続関係が複雑な人、法定相続人以外に財産を残したい人は、特に遺言書を書くことをお勧めします。

今回は、遺言書の種類と作り方についてみていきましょう。

 

 

代表的な2つの遺言書

 

  • 自筆証書遺言
  • 公正証書遺言

 

遺言書にはさまざまな種類がありますが、実際に活用されているのは、上記2つです。

それぞれ一つずつみていきたいと思います。

 

 

自筆証書遺言

 

自筆証書遺言を作成するには、厳格な方式が決まっています。

まず、財産目録以外は全て自筆で書かなくてはなりません。財産配分の遺言書の内容の他、作成した年月日、遺言書の名前を書いて印鑑を押します。作成日が特定できないもの(例えば、令和4年12月吉日という書き方)や夫婦連名で作ったものなどは無効となります。

また遺言書の内容を一部変更している場合、正しい形で訂正しないと、その訂正内容が無効になることがあります。自筆証書遺言の訂正については民法968条3項で訂正方法が定められています。もし内容を変更したい場合は、一部の変更ではなく、全文書き直した方が良いでしょう。

なお自筆証書遺言は、家庭裁判所での検認手続きが必要です。

※民放改正により、2020年7月から「自筆証書遺言の保管制度」がはじまりました。遺言書の保管を申請すると、法務局が保管してくれる制度です。この制度を利用した場合には、家庭裁判所での検認が不要となります。

 

 

公正証書遺言

 

公正証書遺言は、法律の専門家である公証人が作成するため、形式や内容に関しては安心できます。ただし、遺言書作成までには、財産目録や戸籍謄本、印鑑証明書などさまざまな書類が必要となります。また作成日当日には、証人が二人以上必要です。

公正証書遺言は原則として公証役場で作成しますが、病気などで外出できないときは、出張料はかかりますが、自宅や病院などに公証人に来てもらって作成することもできます。

公正証書遺言は家庭裁判所での検認がいらないので、すぐに相続手続きが開始できます。

 

 

自筆証書遺言と公正証書遺言の相違点

自筆証書遺言書公正証書遺言書
記入者本人公証人(口述筆記)
証人・立会者不要証人2人以上
秘密保持保持できる公証人と証人に内容を知られる
検認不要
長所費用がかからない遺言書の存在と内容が確実
短所無効となる可能性がある手間と費用がかかる

 

 

遺言書の種類と作成方法についてみてきました。

遺言書は大きくは自筆証書遺言、公正証書遺言の2種類があります。

どちらの方式にするかはそれぞれの短所と長所を見比べて、決めると良いでしょう。

もし遺言書の作成にかかる費用が許容でき、時間もある場合は、遺言書の存在と内容が確実な公正証書遺言を検討されてみてはいかがでしょうか。

当事務所では、遺言の業務も承っております。お困りごとがありましたら、お気軽にお問合せください。

 

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