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7.302026
若者の困難は「静かな社会危機」──就職氷河期世代の視点から見える負の連鎖と、今必要な支援

若者の困難は「静かな社会危機」──就職氷河期世代の視点から見える負の連鎖と、今必要な支援
私は就職氷河期世代の一人として、これまで自分と同世代の人々が歩んできた苦労に寄り添う思いで記事を書いてきました。
たとえば、以前まとめた「就職氷河期世代の歩み」(https://office-tokiwa.com/eiga29/)では、制度の変化に翻弄され続けた世代の姿を振り返りました。
しかし、「茶飲友達」(https://office-tokiwa.com/eiga44/)のブログを書いた頃から、若者の貧困やセーフティネットの希薄さに強い問題意識を持つようになりました。
ここ最近、若者が深刻な立場に置かれ、社会的な支援が急務であることを示すニュースや統計が相次いでいます。就職氷河期世代が親となり、その困難が子世代へと連鎖している現状を前にして、「現在の若者が抱える問題の本質は、30年前に始まった就職氷河期に端を発しているのではないか」──そんな思いが強く胸に浮かびます。
社会に責任のある世代の一人として、今の若者の困難に真摯に向き合いたい。その思いから、この記事を書きました。
1.若者の生活保護受給が「2000年比で6倍以上」──生活基盤の不安定化が進む
(出所:ABEMA TIMES「若者の生活保護受給が急増」2024年報道 https://times.abema.tv/articles/-/10240029?page=2)
厚生労働省の統計をもとにした報道によれば、20代の生活保護受給者は2000年比で6倍以上に増加しています。
これは単なる数字の増加ではなく、若者の生活基盤が大きく揺らいでいることを示しています。
背景として指摘されているのは以下の点です。
非正規雇用の拡大による収入の不安定化
物価高騰で最低生活費を下回る若者が増加
親世代(就職氷河期世代)の困窮により実家が頼れない
メンタルヘルス悪化による離職と再就職困難
家庭内不和・虐待など、家族のセーフティネットが機能しないケースの増加
若者の生活保護受給は決して「怠慢」ではなく、社会構造の変化が生み出した必然的な結果であることが、複数の支援団体や研究者から指摘されています。
2.こども家庭庁:困難を抱える子どもが14%以上増加──親世代の困難が子へ連鎖
(出所:福祉新聞「困難を抱える子どもが14%増加」2026年報道 https://fukushishimbun.com/fukushiippan/45321)
こども家庭庁の調査では、困難に直面した経験のある子どもが2022年度より14%以上増加したとされています。
特に、子どもの親世代である30代・40代の困難層が増加している点が注目されます。
これは、就職氷河期世代が親となり、
非正規雇用のまま子育て期に突入
物価高騰で家計が逼迫
親自身がメンタル不調や生活困窮を抱える
という状況が、子どもの困難をさらに深刻化させている構造を示しています。
「親の困難が子どもに連鎖する」という現象は、日頃の相談業務や支援現場の中でも強く実感するところです。
3.20代のメンタルヘルス悪化──コロナ禍の大学生活が影響
(出所:労働政策研究・研修機構(JILPT)「若者のメンタルヘルス」2026年特集 https://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2026/01_02/special_02.html)
JILPTの調査では、20代のメンタルヘルス不調が顕著に増加しています。
要因としては、以下の点が挙げられています。
コロナ禍で大学生活がオンライン化し、対人関係の経験が不足
社会参加の機会が奪われたまま就職期を迎えた
職場でのコミュニケーションに適応できず離職
SNSによる比較・孤立感の増幅
特に「コロナ禍の大学生活 → 社会適応の困難」という流れは、若者支援の現場からも繰り返し指摘されています。
4.若者の困難は“世代間の連鎖”──就職氷河期の影響が30年後の今も続く
就職氷河期世代は、長期的な不安定雇用・低所得・メンタル負荷を抱え続けてきました。
その氷河期世代が親となり、
経済的余裕がない
子どもの進学・就職を支える余力がない
親自身がメンタル不調を抱えている
という状況が、若者の困難をさらに深刻化させています。
つまり、若者の困難は単独の問題ではなく、過去の社会的要因が生み出した「世代間の連鎖」なのです。
5.人口構造の歪み──高齢者中心の社会で若者が見えにくくなる
日本は世界でも突出した高齢化社会であり、
政策議論
予算配分
社会的関心
が高齢者中心になりがちです。
しかし、若者の困難は、「未来の税収」「地域の担い手」「家族の再生産」に直結する“社会の基盤問題”にほかなりません。
若者が疲弊すれば、
地域コミュニティの弱体化
労働力不足の加速
子どもの貧困の増加
社会保障制度の支え手の減少
という「静かで深刻な危機」が着実に進行していきます。
6.行政書士・相談職としてできること──制度の狭間に落ちる若者を社会につなぐ
行政書士として、また社会の一員として、若者支援に向けて以下のような役割を果たせると考えています。
公的支援制度へのアクセス支援(生活困窮者自立支援制度や住居確保給付金などの申請サポート・手続き案内)
専門機関へのワンストップつなぎ(債務問題や深刻なメンタルヘルス問題を抱える方への、法テラス・弁護士・福祉機関等への適切な案内)
親子双方の困窮を「構造的問題」として見える化する発信
地域の支援機関やNPO等との連携による早期支援
若者支援は、単なるコストや一時的な救済策ではなく、未来の社会を守るための「投資」です。
若者の困難は、自己責任として片付けるのではなく、社会全体で向き合うべき課題です。その現状を知り、支援の必要性を共有することから、未来への一歩が始まると私は考えています。
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