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【わかりやすく解説!】全国初・充実の登録項目!静岡市『終活情報登録制度』のしくみと活用法

制度で支える安心。静岡市が始めた終活の新しいかたち。

 

静岡市では以前より、終活支援事業者の認証制度を全国で初めて自治体で導入するなど、終活事業に関して先進的な取り組みを導入しています。2025年4月より、「終活情報登録・伝達事業」を始め、「もしもの時」に備えて終末期の延命治療や臓器提供の意思表示、遺言書の保管場所などを事前に市に登録することができるようになりました。

今回はこの静岡市の「終活情報登録・伝達事業」について深堀し、わかりやすく解説していきます。

 

 

🏡 静岡市の「終活情報登録・伝達事業」とは

 

——人生の最終章に向けた「安心」のかたち

終活とは、人生の最終段階を自分らしく、そして安心して迎えるための準備です。近年では、個人や家族だけでなく、行政もこの領域に関与するようになってきました。

静岡市が2025年4月に開始した「終活情報登録・伝達事業」は、高齢者が自らの希望や重要な情報を市に登録し、本人が意思表示できなくなったときに、関係機関や指定した方にその情報を伝える制度です。例えば、延命治療の希望、遺言書の保管場所、臓器提供の意思など――これらをあらかじめ整理し、行政が本人に代わって必要な場面で伝達することで、医療・福祉の現場や家族が迷わず対応できるようになります。

対象は静岡市内に居住する65歳以上の方。登録は市内各区役所の高齢介護課や清水福祉事務所蒲原出張所にて行えます。事前予約は不要で、窓口に申請書と本人確認書類を持参すれば登録可能です

 

📝 登録できる情報と登録手順

——意思、医療、契約、暮らしの情報まで広く網羅

登録可能な項目は最大16にのぼり、内容は多岐に渡ります。

区分登録内容の例登録できる人
基本情報氏名、住所、電話番号、メール本人・後見人・親族
医療情報かかりつけ医、服薬、既往歴、アレルギー本人・後見人
意思表示延命治療の希望、臓器提供の意思本人のみ
契約・保管情報遺言書やエンディングノートの保管場所本人のみ
その他生前契約、お墓の所在地、献体登録など項目により異なる

<登録に必要なものと流れ>

  1. 必要書類
    • 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
    • 申請書(窓口で記入または事前にダウンロード)
    • 緊急連絡先を登録する場合は、同意書(様式第2号)
  2. 登録場所
    • 静岡市内の各区役所「高齢介護課」
    • 清水福祉事務所「蒲原出張所」
      ※予約不要。窓口での提出で即日登録が可能です。
  3. 交付されるもの
  • 携帯用登録証(緊急連絡先などを記載)
  • 自宅掲示用登録証(救急対応時に確認可能)
  • 「S救(エスキュー)セット」(緊急連絡カードを含む)

この登録証と緊急カードにより、救急隊などが一目で情報登録済みであることを把握し、迅速な対応につながります。

 

 

🌱 なぜ静岡市でこの制度が生まれたのか

 

——高齢化と制度への市民ニーズが背景に

静岡市は、政令指定都市の中でも高齢化率が高く、単身高齢者の増加も著しい地域です。そうした背景のなか、市民からは「意思を残したい」「家族に迷惑をかけたくない」といった声が多数寄せられていました。また、地域包括支援センターや福祉窓口では、民間終活事業者に関する相談が増加し、「信頼できる支援者を紹介してほしい」という要望も多く寄せられていました。

こうした声を受け、静岡市は「本人の意思を尊重できる制度」「家族が迷わず対応できる仕組み」の必要性を認識し、事業設計を進めました。市の広報や説明資料によれば、制度化にあたっては他都市の事例も参考にしつつ、市民ニーズを丁寧に反映させたとのことです(出所:静岡市公式ページ)。

 

 

🔭 今後の見通し

 

——制度のさらなる活用と支援体制の接続が期待される

静岡市では今後、終活情報登録制度の普及と合わせて、以下のような支援体制との連携が進められる可能性があります:

  • 成年後見制度の相談支援(静岡市成年後見支援センター)
  • 認知症対応力を持つ地域支援員や医療機関との情報共有
  • 終活支援事業者の認証制度と登録制度の補完的活用(以前、終活支援事業者認証制度に関するブログを書きました。良ければ参考にしてください)

これらはいずれも制度の直接統合ではないものの、本人の意思を守るための支援環境の整備という目的を共有しており、今後の実務的な融合が期待される領域です。

出所:静岡市福祉施策全体(成年後見支援センター

 

 

🌈さいごに

静岡市の終活情報登録・伝達事業は、人生の終わりに備えながら、「今を安心して暮らすための制度」として機能しています。医療、福祉、法律、そして家族の思いが交差するこの領域で、行政が積極的に関与してくれることは、市民にとって心強い支えです。
これから終活について考え始める方、制度を活用したい方、支援者として関わる方にも、ぜひこの制度の存在を知っていただければと思います。ご自身のこととして、静岡市民の方はぜひ登録を検討してみてください。申請方法はシンプルで、まずは市の窓口や公式サイトを覗いてみるところから始められます。

本ブログでは、今までも静岡市の身元保証等高齢者サポート事業者の認証制度に関するブログを記載しております。よろしければ参考にしてください。

【身元保証】サポート 全国初の事業者認証制度導入へ 静岡市のNHKニュース記事から考えてみよう【気になる記事ブログ27】

【わかりやすく解説!】静岡市終活支援優良事業の申請方法について【全体の流れ】

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