ブログ

【高齢者のATM引き出し制限】特殊詐欺への防御策 ~休眠口座について考えてみよう 【気になる記事ブログ⑱】 

【高齢者のATM引き出し制限】特殊詐欺への防御策 ~休眠口座について考えてみよう

テレ朝ニュース【気になる記事ブログ⑱】

 

  • 記事の概要についてみてみよう
  • 特殊詐欺の現状についてみてみよう
  • 亡くなった人の銀行口座は、銀行に死亡を届け出た日から預金が引き出せなくなります
  • 元気なうちから休眠口座、利用頻度の低い口座を整理してみませんか

 

それぞれ一つずつみていきたいと思います。

 

 

記事の概要についてみてみよう

 

警視庁は、頻発する特殊詐欺に対応するため、ある一定の条件を満たした高齢者の銀行口座からのATMの引き出しを制限するよう銀行業界に案を提示しているそうです。

令和4年の特殊詐欺の認知件数は、17,570件、被害額は370,8億円で、特殊詐欺にあった86%が高齢者という現状があります。銀行業界に対して、一定の条件(年齢、口座からの引き出し頻度、引き出し金額)等を組み合わせ、高齢者のATM引き出しの制限を警視庁が銀行業界に案として提示したそうです。しかし銀行業界も、システム改修の負担や、高齢者の利便性制が損なわることに直結するため、実際の運用までには時間がかかるのではないかと予測されています。

街頭インタビューでは、高齢者を半強制的にでも守る施策との声がある一方、高齢者とひとくくりにされることの違和感などもあり、個人差がある印象でした。

(出所)テレ朝ニュース

 

 

特殊詐欺の現状についてみてみよう

 

特殊詐欺とは、犯人が電話やハガキ(封書)等で親族や公共機関の職員等を名乗って被害者を信じ込ませ、現金やキャッシュカードをだまし取ったり、医療費の還付金が受け取れるなどと言ってATMを操作させ、犯人の口座に送金させる犯罪(現金等を脅し取る恐喝や隙を見てキャッシュカード等をすり替えて盗み取る詐欺盗(窃盗)を含む。)のことです。(引用)警視庁ホームページ

特殊詐欺は下記の通り10類型があります。

  1. オレオレ詐欺
  2. 預貯金詐欺
  3. 架空料金請求詐欺
  4. 還付金詐欺
  5. 融資保証金詐欺
  6. 金融商品詐欺
  7. ギャンブル詐欺
  8. 交際あっせん詐欺
  9. その他の特殊詐欺
  10. キャッシュカード詐欺盗(窃盗)

令和4年の特殊詐欺の認知件数は、先にも述べましたが17,570件、被害額は370,8億円です。また被害は首都圏に集中しており、1件あたりの被害額は218万円と高額です。65歳以上で特殊詐欺の被害にあった人の66%が女性で、男性と合わせると、86,6%が65歳以上の高齢者となっています。オレオレ詐欺、預貯金詐欺及びキャッシュカード詐欺盗(以下3類型を合わせて「オレオレ型特殊詐欺」と総称)の認知件数は9,724件、被害額は205.1億円で、総認知件数に占める割合は55.3%。振り込み型と、現金手交型の特殊詐欺が令和2年から増加傾向となっています。

警視庁、政府市区町村、各種メディア、金融機関で、特殊詐欺防止のための積極的な広報活動を行っていますが、手口が巧妙化するなど、ここ10年間は高止まりの傾向が続いています。(参考資料)警視庁報資料

 

(出所)警視庁広報資料

 

 

亡くなった人の銀行口座は、銀行に死亡を届け出た日から預金が引き出せなくなります

 

今回は特殊詐欺被害防止のため、「警視庁が銀行業界に高齢者のATM引き出し制限案を出した」記事について考察していますが、亡くなった人の銀行口座も、銀行に亡くなったことを届けた日から、銀行口座が凍結され、引き出しできなくなります。これは、亡くなった人の口座に残っているお金が相続財産に含まれるため、相続手続きが行われるまでは、相続財産を守るため、凍結手続きがとられます。遺言がある場合は、遺言執行者により遺言通りに、遺言がない場合は、法定相続人全員の署名捺印がある、遺産分割協議書、各金融機関から指定された書類と共に、口座の解約手続きを行います。金融機関の相続手続きは金融機関にもよりますが、書類の作成、戸籍謄本などの収集など実際の解約まで数か月要します。その間凍結された銀行からの引き出し等はできませんので、凍結口座が電気・ガス・水道・電話などの生活インフラの自動引き落としで使われていた場合は、注意が必要です。

 

 

元気なうちから休眠口座、利用頻度の低い口座を整理してみませんか

 

亡くなってから、故人の金融機関の口座からの現金引き出しや、解約には手間も時間も要する説明を先に行いました。リスク分散も兼ね、複数の口座を持っている人も多いと思います。東証マネ部の調査では銀行口座をいくつ持っているかの質問に、1口座と答えた人は5,9% で一番多いのは3口座の31,8%です。6口座以上持っている人も約15%います。給与振り込み口座、生活費口座、プライベート口座など用途別に口座を持っている人も多いと思いますが、もし、口座を分ける必要性も感じなくなり、使っていない口座の維持や管理が負担になってきたら、この機会に使っていない休眠口座は整理してみてはいかがでしょうか。ご家族の負担もご自身の負担も減るでしょう。こちらも終活の一つになるのではないでしょうか。

 

Q. 銀行口座はいくつ持っていますか?

  1. 持っていない 0.9%
    1口座 5.9%
    2口座 21.3%
    3口座 31.8%
    4口座 16.2%
    5口座 9.4%
    6口座以上 14.5% (出所)東証マネ部ホームページ

今回の記事は日々注意喚起を受けている特殊詐欺被害と、休眠口座の対応方法についての内容となっています。高齢者のATMの引き出し制限が現実化するまでには、時間がかかりそうですが、それまでにまずは自分ができることをしていきましょう。

認知症・成年後見制度に関しては、他にも記事があります。よければこちらまでご覧ください。

関連記事

ページ上部へ戻る