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【「火葬待ち」深刻化】、3割が最長6~8日待機…遺族の心理的・金銭的負担重く、~多死社会と都道府県別火葬場の数について考えてみよう【気になる記事ブログ⑲】

【火葬待ち 深刻化】、3割が最長6~8日待機…遺族の心理的・金銭的負担重く、~多死社会と都道府県別火葬場の数について考えてみよう【気になる記事ブログ⑲】読売新聞オンラインから

 

  • 記事の概要についてみてみよう
  • 「多死社会」 現状とこれから2060年代までの人口動態予測についてみてみよう
  • 都道府県別、火葬場データからみる、首都圏の火葬場数がそもそも少ない?
  • 日本の火葬率は世界一、土葬の持つ宗教的意味について考えてみよう

 

それぞれ一つずつみていきたいと思います。

 

 

記事の概要についてみてみよう

 

最近、すぐに火葬ができない「火葬待ち」の記事やテレビでのニュースなどを目にします。

火葬ができない 12日間待ちも “多死社会” 年間死亡者数が過去最多 2023/06/26 NHKニュース

テレビでも火葬場が足りない特集などが最近組まれていました。

この記事では、2020年度に遺体を安置した177か所で、火葬が回ってくるまでの待機が目的との回答が全体の44.1%。また火葬待ちの最大日数を尋ねたところ、「6~8日」が最も多く31・4%。次いで「2日超、3日まで」が16%、「3日超、4日まで」が13・7%だった。(新聞記事一部抜粋)2020年度はコロナの影響もあると思われますが、亡くなる人の数と一日に火葬できる数に開きがあるため、「火葬待ち」という状態が続いていると指摘されています。横浜市では、この火葬場不足を解消するため、2026年度に221億円をかけて、火葬場を新設するそうです。しかし、火葬場不足を感じている全ての自治体で、大規模な火葬場建設予算を算出するのは、難しいと考えられます。

※この火葬待ちに関しては、別の意見などもいくつがあるようです。

「火葬待ち」に関する記事、データを注視し、正確な現状を把握する必要があります。

 

 

「多死社会」 現状とこれから2060年代までの人口動態予測についてみてみよう

 

多死社会(たししゃかい)とは、高齢化社会の次に訪れるであろうと想定されている社会の形態であり、人口の多くを占めている高齢者が平均寿命などといった死亡する可能性の高い年齢に達すると共に死亡していき人口が減少していくであろうという時期。(出所)Wikipedia

 

厚生労働省が平成28年10月3日「我が国の医療」の現状では、2025年に153万人の死亡者数を推計しており、2040年に死者数のピークを迎え、その後2060年まで年間160万人前後が35年間亡くなり続けると予測されています。団塊の世代が2025年に806万人全員75歳以上の後期高齢者に入ります。また団塊ジュニアと呼ばれる、第二次ベビーブーム世代も968万人も2049年には全員75歳以上の後期高齢者に入ります。2025年から2060年は高齢化率が最もあがり、死亡者数も増える時代となるでしょう。

 

(出所)厚生労働省 我が国の医療の現状

(出所)経済産業省 2050年までの経済社会の 構造変化と政策課題について

 

 

都道府県別、火葬場データからみる、首都圏の火葬場数がそもそも少ない?

 

少し古いデータですが、厚生労働省が発表している、「墓地・火葬場・納骨堂数,経営主体・都道府県-指定都市-中核市(再掲)別 平成13年度」では、都道府県別の火葬場の数が集計されています。火葬場の数と人口とは比例しておらず、火葬場の数が多い県は上から広島県の1345場、次に三重県の975場、福井県の839場と続きます、広島県の突出した火葬場の多さは歴史的な背景も影響しているのかもしれません。また東京、神奈川、千葉、埼玉などの首都圏が27場、21場、29場、20場、大阪、兵庫、京都など関西圏はそれぞれ194場、50場、21場と、首都圏が人口の割に火葬場数が少なくなっております。火葬場の数は県により異なり、数も2桁から4桁までと地域により異なります。火葬場不足の問題とは、今後主に人口が集中する首都圏の問題になっていくのではないかと推察されます。

 

(出所)厚生労働省 「墓地・火葬場・納骨堂数,経営主体・都道府県-指定都市-中核市(再掲)別 平成13年度」

 

 

日本の火葬率は世界一、土葬の持つ宗教的意味について考えてみよう

 

日本の火葬率は99.9%と世界と比較してもとても高いです。もともと土葬も火葬も行われていましたが、明治に入り土葬用の土地が足りずに火葬がメインになっていったという経緯があったそうです。埋葬、または火葬に関しては、「墓地、埋葬等に関する法律」で定めがあります。土葬に関して、「墓地、埋葬等に関する法律」で禁止されていませんが、厚生労働省が発表した「衛生行政報告例」によると、2020年に亡くなった人のうち土葬は393例でした。

キリスト教が信仰されている国(ヨーロッパ)では、火葬と土葬が同程度で行われているようです。イタリアなどでは土葬率の方が高いというデータもあります。キリスト教では「死者復活」という考え方があり、火葬で燃やしてしまうと死者復活ができず、土葬で埋葬するそうです。このように火葬、土葬、風葬など、色んな埋葬方方法がありますが、その土地、宗教に根差した埋葬方法がある中で、日本では火葬が現在メインになっています。

 

これから本格的な高齢社会、多死社会を迎えるにあたり、首都圏では火葬場の数が少ないことは、厚生労働省のデータからも明らかです。今後葬送儀礼のやり方、お墓、弔い方なども大きく変わっていくでしょう。継承者がいない人たちも増えてくると予想されることから、自分の死後はどのように弔って欲しいか考え、ご家族と話し合われてみてはいかがでしょうか。

 

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