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【遺言書に対する意識調査結果】「遺言書年報2023」を公開|Authense法律事務所から、203年の遺言に対するイメージについて考えてみよう【データから考えてみよう20】

【遺言書に対する意識調査結果】「遺言書年報2023」を公開|Authense法律事務所から、2023年の遺言に対するイメージについて考えてみよう【データから考えてみよう20】

 

Authense法律事務所から「遺言書年報2023」から「いい遺言の日」にちなみ、2023年11月15日に発表されました。年報に関しては下記からダウンロードすることができます。全長80ページにわたり遺言書をめぐる状況が分析されています。

今回はPR TIMESで発表されている内容から現在の遺言書に対する意識調査について以下の切り口でみていきたいと思います。

 

  • 遺言書を書くこと自体については、6割以上は前向きなイメージを持っている
  • 遺言書を作成予定と回答した割合はわずか5%
  • 人生の「まさか」に備える生命保険の日本人の加入率は8割を超えている
  • 年末年始の家族が集う機会に「遺言書」について話してみませんか

それぞれ一つずつみていきたいと思います。

 

 

遺言書を書くこと自体については、6割以上は前向きなイメージを持っている

 

遺言書というと、人生の終わりを想像させる「死」に関わるネガティブなイメージが大きいのではないかと推察されますが、実際、特に50代では遺言書に7割以上の人は遺言書に関して前向きな印象を持っている結果が出ています。65歳以上でも65%以上が前向きな印象を持っており、印象としてはネガティブというよりはポジティブな印象を持っています。

(出所)PR TIMES 【遺言書年報2023をリリース】「日本人の10人に9人は遺言を書かない」いい遺言の日(11 月15 日)に、遺言書に対する意識調査結果をまとめた「遺言書年報2023」を公開|Authense 法律事務所

 

 

遺言書を作成予定と回答した割合はわずか8.5%

 

以前NPO法人ら・し・さ(終活アドバイザー協会)「終活意識全国調査」』が公開したデータに関する記事を書きましたが、その中でも遺言書を実際書いた人の割合は全体の4%強でしたが、今回の調査結果でも、遺言書を作成予定の回答は8.5%という数字になっています。遺言書の前向きなイメージと、実際書く意思のある人の割合には乖離があります。

2060年には850万人(高齢者4人に1人)になるとう推計もあります。自分の「まさか」を想定するのは誰にとっても難しいことですが、認知症を発症し意思能力が低下してしまうと遺言書も作成もできなくなります。その点はご注意いただければと思います。

「書こう」という意思のある時が、遺言書の作成のタイミングなのではないでしょうか。

(出所)PR TIMES 【遺言書年報2023をリリース】「日本人の10人に9人は遺言を書かない」いい遺言の日(11 月15 日)に、遺言書に対する意識調査結果をまとめた「遺言書年報2023」を公開|Authense 法律事務所

 

人生の「まさか」に備える生命保険の日本人の加入率は8割を超えている

 

人生の「まさに」に備えるものとして私たちになじみが深いのは生命保険をはじめとする各種保険ではないでしょうか。遺言書も死後に法的効力が発生するものですので、生命保険と同じく人生の「まさか」に備えるものですが、各種保険への加入者が将来遺言書を書く予定がある人は、全体の1割以下という結果が出ています。一方で生命保険文化センターが3年毎に発表している2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査では、生命保険加入者は全世帯の8割を超えるという高い結果が出ています。

生命保険も、遺言も、人生の「まさか」、「最後」に備えるものですが、両者には圧倒的な差があります。エンディングノートもしかりですが、認知度のわりに、実際書いている人は少ないです。この差の理由を明確にすることが、遺言書の普及率に向上につながる可能性があります。

(出所)PR TIMES 【遺言書年報2023をリリース】「日本人の10人に9人は遺言を書かない」いい遺言の日(11 月15 日)に、遺言書に対する意識調査結果をまとめた「遺言書年報2023」を公開|Authense 法律事務所

(出所)生命保険文化センター 2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査

 

 

年末年始の家族が集う機会に「遺言書」について話してみませんか

 

【家族と「遺言」についての会話意向について調査】では、子どもに遺言について「すでに話している」割合は年齢とともに増加し、70代では18.3%。「話したい」「話すつもり」も含めると62.5%と、50代・60代に比べ、高い率となっています。誰もがいずれ死を迎えますが、年代が上がるにつれ、人生の終わりが近くなることを感じる機会も増えるのかもしれません。遺言や相続は、大切な話題ですが、タブー視され、気楽に話す話ではないかもしれません。しかし、実際親の相続を経験した人で親に遺言書があった人は、8割の人がが遺言書があってよかったと感じています。人生で遭遇する相続の数は多くはないでしょう。しかし、実際相続に遭遇すると遺言書の重要さを、効力を感じる人が多々いるのも現実です。遺言相続は大変デリケートな内容ですが、それぞれがいずれ遭遇する自分事と考え、年末年始で親兄弟と久々に会う機会があれば、勇気をもって話してみてはいかがでしょうか。

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