ブログ

映画「老後の資金がありません!」から生前葬とシェアハウスについて考えてみよう。【話題の映画・ドラマ・アニメから考えるブログ③】

映画「老後の資金がありません!」から生前葬とシェアハウスについて考えてみよう。【話題の映画・ドラマ・アニメから考えるブログ③】

 

  • 「老後の資金がありません!」の映画概要とあらすじについて
  • 老後2000万円問題とは
  • 最近よく聞く生前葬とは
  • シェアハウスに住むという選択肢

 

それぞれ一つずつみていきたいと思います。

 

「老後の資金がありません!」の映画概要とあらすじについて

 

「老後の資金がありません!」は、垣谷美雨さんの小説を2021年に天海祐希さん主演で映画化されました。老後の資金が気になりながら節約に励みお金を貯めてきた、夫と二人の成人の子供と生活する主婦(天海祐希さん)が義父のお葬式で約400万円の出費、自分と夫の失業、娘の突然の結婚、オレオレ詐欺被害、義母との同居といった出来事で、老後に貯めた資金が減っていくピンチに見舞われます。自分の事を後回しにしながら家計を切り盛りしてきた堅実な主婦が、周りに振り回されながらもたくましく人生のお金のピンチを乗り切っていく姿が家族、特に自由奔放な義母との関わりあいの中で、描かれています。シリアスで現実的かつ、切実な内容ですが、全体的にはコメディーとしてみることができ、明るい楽しいシーンも多い映画です。また、オレオレ詐欺、生前葬、シェアハウスなど現在の話題も多く取り込まれており、新しい価値観に触れる映画です。

 

 

老後2000万円問題とは

 

令和元年(2019年)に金融庁の金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 「高齢社会における資産形成・管理」にて、老後資金が、老30年間でおよそ2000万円が不足すると指摘されています。具体的には、65歳以上の夫、60歳以上の妻、この無職世帯の夫婦が30年間健康で老後生活を送った場合、毎月5万5000円が赤字になり、計2000万円の取り崩しが必要になると想定されます。

この報告書では人口動態で今後想定される日本社会の未来、それに伴い各自が資産形成、資産運用を行い、長寿化に伴う資産寿命を延ばす事の重要性などが記載されていますが、「老後に年金以外に2000万円が必要」というセンセーショナルな数字が広く世間に知れ渡りました。垣谷美雨さんの小説は2015年に出版されていますから、老後2000万円問題より前に既に出版されていましたが、映画のオープニングには、経済評論家の荻原博子さんがご本人役で出演されており、「老後2000万円」問題を話すシーンがあります。

 

最近よく聞く生前葬とは

 

映画の中で、主人公の義母(草笛光子さん)が映画の後半で自分の生前葬を、自分で企画し開催します。病院に緊急搬送される経験から、生きている間にお世話になった人に感謝を伝えようと決意します。この生前葬のシーンは映画でも見どころの一つです。最近よく耳にする生前葬ですが、古く江戸時代からあったそうで歴史は古いようです。

生前葬を行う理由としては、死後の葬儀では家族への負担が高く、家族への身体的、経済的負担の軽減のため、自分で自由な形で自分の希望の形の葬儀にしたいなどがあります。しかし生前葬はそれほど一般的ではないため、家族や周りの理解を得るのが大切です。また生前葬を行った場合でも死後の葬儀は発生しますので、死後の葬儀についても家族内で話し合っておいた方がよいでしょう。

 

 

シェアハウスに住むという選択肢

 

映画の中では、シェアハウスで生活を共にする人たちの場面が何度か出てきます。また主人公の夫婦(両人とも50代)の子供たちが独立したのを機に、持ち家を売却し、売却したお金でローンを返済しシェアハウスで生活することを選びます。主人公の夫婦が50代ということで「終の棲家」というには人生100年時代には早すぎますが、家族ではないが、他者と程よい距離感で同じ家に住むという選択を行います。そして持ち家を売却することで、底を尽きかけていた貯金が増え、金融資産に余裕が生まれます。よく家は「持ち家」か「賃貸」で区別されますが、「シェアハウス」という形を映画の終わりに提示され、新鮮でした。

 

※シェアハウスとは

一つの住居に複数人が共同で暮らす賃貸物件を指す和製英語。一般的にはキッチンやリビング、バスルームなどを共同で使用し、プライバシー空間として個室を利用する(引用)Wikipedia

 

シェアハウスについて国土交通省が調査した報告書「シェアハウスに関する市場動向調査結果について」(平成27年の調査なので大分前ですが)では、シェアハウスは日本全国の中でも特に東京に6割強があるそうです。シェアハウスに住む人の年齢層は「25歳から30歳」で全体の5割を占めており、性別では女性の方が多いそうです。

シェアハウスに関しては、今回の映画では好意的に描かれていましたが、一方では、騒音や共有スペースでの使用方法・ルールに関するトラブルなどが発生するケースもあるようなので、もう少し色んなデータや事例をみて判断していく必要があるでしょう。

 

コロナ禍を経て、一段と世の中が大きく変わってきています。お金も住まいもお葬式も、これから10年で大きく変わる可能性があります。新しい選択肢、新しい価値観に柔軟でありたいものですね。

 

 

関連記事

ページ上部へ戻る