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映画「ワンダフルライフ」からピーク・エンドの法則と回想法について考えてみよう【話題の映画・ドラマ・アニメから考えるブログ51】

映画「ワンダフルライフ」からピーク・エンドの法則と回想法について考えてみよう【話題の映画・ドラマ・アニメから考えるブログ51】

 

  • 映画「ワンダフルライフ」の映画概要とあらすじについて
  • 年忌法要、初七日について考えてみよう
  • ピーク・エンドの法則とはなんでしょうか
  • 回想法を知っていますか

 

それぞれ一つずつみていきたいと思います。

 

 

映画「ワンダフルライフ」の映画概要とあらすじについて

 

映画『ワンダフルライフ』は、1999年公開の日本映画で監督は是枝裕和さんです。幻の光につぐ、二作品目の監督作品です。主演は井浦新ことARATA、小田エリカ、寺島進、内藤剛志、谷啓、伊勢谷友介など、今から26年ほど前の映画になりますが、現在進行形で活躍されている方が多数います。物語のストーリーは人が死んでから天国へたどりつくまでの7日間を描いたファンタジードラマです。霧に包まれた施設にたどりついた22人の死者たちは、待ち受けていた職員から、天国へ行くまでの7日間で人生で一番大切な思い出を選ぶように指示されます。望月隆(ARATA)、里中しおり(小田エリカ)、川嶋さとる(寺島進)、杉江卓郎(内藤剛志)たち四名は、施設内で死者たちの思い出を丁寧に聴き、死者たちが一番大切な思い出を選ぶのを手伝います。7日目には一番大切な思い出を施設内のスタッフにより克明に再現され、ビデオ上映されます。そしてその大切な記憶が頭の中に鮮明に蘇った瞬間、彼らはその「一番大切な記憶」だけを胸に死後の世界へと旅立っていくことになります。

すぐに思い出を選べる人もいれば、自分には思い出したい思い出がないという人もいます。そういう人には、その人の生まれてから亡くなるまでの映像をビデオとして渡し、それを見ながら自分の人生を振り返ってもらいます。死者の中には天寿を全うしたと思われる高齢者から中学生まで、様々な年代の人がいます。主人公の望月隆は第二次世界大戦の最中の22歳の時に戦死し、それから50年死者たちの思い出を聴く役割で、天国に行かずにいましたが、偶然の巡りあわせから、人生で一番大切な思い出を選ぶことができ、天国に行くことができます。

今回死者役の人がとてもリアルで生き生きとしていてまるでドキュメンタリー映画のようだと思いましたが、実際22人のうち、10人は一般の人だそうです。映画制作の準備を本格的にスタートさせた97年の夏からクランクイン直前までの6ヶ月、スタッフがそれぞれビデオカメラを持ち、老人ホームやとげぬき地蔵、オフィス街の公園、大学のキャンパスなど、様々な場所を訪れ、「ひとつだけ思い出を選ぶとしたら…?」というインタビューを行い、集めた”思い出” は500。その中から選ばれた10人が本人として映画に登場し、実際の思い出を語っているそうです。(ワンダフルライフページから一部そのまま抜粋)

22人の死者達の表情豊かな思い出を語るシーンが印象的です。自分にとって一番大切な思い出=自分の生きてきた意味を見出すことは、色んな事があった自分の人生を肯定し、成仏につながる作業ではないか、死者にとっての喪の作業だと感じました。誰かにとってではなく、自分にとって大切なもの、自分に正直に生きてないとみつからないもの。それがワンダフルライフなのかもしれません。

(出所、参考)映画.comWikipediaワンダフルライフページ山形国際ドキュメンタリー映画祭インタビュー記事

 

 

年忌法要、初七日について考えてみよう

 

今回映画の中では、死んでから7日目に天国に行くことになっています。宗教的な儀式について触れられているシーンはないのですが、初七日は、日本の年忌法要の中でも大変重要な意味があります。

 

■初七日とは

初七日(しょなのか・しょなぬか)は、故人が亡くなってから7日目に行われる仏教の追善法要のことです。仏教では、人が亡くなると次の生を受けるまでの間「中陰」と呼ばれる期間を過ごすと考えられています。この期間中、7日ごとに法要を行い、故人の冥福を祈ります。

初七日は、故人が三途の川のほとりに到着し、最初の裁きを受ける日とされており、特に重要な法要の一つです。僧侶による読経や焼香が行われ、遺族や参列者が故人の供養をします。

 

■三途の川とは

三途の川は、仏教や民間信仰において、現世とあの世を隔てる川とされています。仏教の経典『金光明経』にその起源があるとされ、「地獄」「餓鬼」「畜生」の三悪道を渡る川として描かれています。また、日本では平安時代に広まった十王信仰の影響を受け、閻魔大王の裁きを受ける前に渡る川として認識されるようになりました。

川のほとりには「奪衣婆(だつえば)」と「懸衣翁(けんえおう)」という老夫婦の鬼がいて、亡者の衣服を剥ぎ取り、その重さで罪の深さを測るとされています。また、川を渡るためには「六文銭」という渡し賃が必要とされ、これを持っていない者は衣服を奪われるとも言われています。

 

そのため、三途の川を渡る際に必要とされる六文銭(ろくもんせん)を棺の中に入れ(現代では紙製のもの)、故人は死に装束(しにしょうぞく)を身につけます。白い着物や頭陀袋(ずたぶくろ)を含む装いで、故人が極楽浄土へ向かう旅人としての姿を表しています。

こうした風習は、故人が無事にあの世へ旅立てるようにという願いが込められています。

 

 

ピーク・エンドの法則とはなんでしょうか

 

人生で一番大切な思い出とはどのようなものなのでしょうか。楽しい幸せな思い出を選ぶ人もいれば、強烈な痛みを伴うけれども人生を一変するような体験を選ぶ人、都電の車窓から見える風景、初めて買ってもらった高価で可愛い洋服など、選ぶ人によって異なります。

ピーク・エンドの法則は、人の記憶や評価は、ある経験の最も感情が高ぶった瞬間(ピーク)と、最後の瞬間(エンド)によって決まるという心理学の法則です。ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンによって提唱されました。

例えば、映画を観たとき、全体の内容よりもクライマックスの盛り上がりとラストシーンの印象で評価が決まることが多いです。また、旅行の思い出も、旅の途中の細かい出来事よりも、最高に楽しかった瞬間と最後の印象が強く残る傾向があります。思い出は主観であり当然なのかもしれません。

この考え方と似た言葉に、「終わりよければすべてよし」という言葉があります。物事は過程よりも結末が重要であるという意味のことわざです。途中でどんな困難や失敗があっても、最終的に良い結果になれば問題ない、という考え方を表しています。

この言葉の語源は、イギリスの劇作家ウィリアム・シェイクスピアの戯曲『All’s Well That Ends Well』から来ているとされています。日本語訳すると「終わりが良ければすべて良し」となり、そこから広まったと言われています。

あなたの一番大切な思い出は、ピーク・エンドの法則に当てはまっていますか?それとも違うものでしょうか?

(参考)Wikipedia一般社団法人日本経営心理士協会

 

 

回想法を知っていますか

 

本作品は死者が天国に行くまでの7日間に一番大切な思い出を選ばないといけないという設定ですが、高齢者にとって、過去の記憶を思い出しそれを語ることで心理的な安定や認知機能の向上を促す効果があることがわかっています。それを回想法といいます。1960年代にアメリカの精神科医ロバート・バトラーによって提唱されました。

この療法は特に認知症の予防や進行抑制に効果があるとされ、高齢者が昔の写真や音楽、思い出の品を見ながら過去の出来事を語ることで、脳を刺激し、精神的な安定を得ることができます。個人で行う方法と、グループで行う方法があり、グループ回想法では他者との交流を通じて社会的なつながりを深めることも期待されています。

この際に重要なのは、聞き手の傾聴と共感です。まさに今回の映画の主人公、望月隆たちの仕事ぶりと重なります。この回想法は全国の自治体などでも積極的に取り入れられています。東京都葛飾区シニア支援センター茨城県取手市などでも認知症予防、介護予防などで取り入れられています。

また、社会教育活動として地域回想法として氷見市立博物館などで回想法が取り入れられています。

(参考)Wikipedia

 

人には誰でもそれぞれの人生の物語があります。思った通りの人生ではないかもしれませんが、心が動いた瞬間に敏感でありたいと思いました。またピーク・エンドの法則という考え方からすると、エンド(結末)を自分で良い方向に持っていける努力を行えれば、もしくはどんなエンド(結末)でも自分の中で納得できれば、よい思い出はもっと増えていくのかもしれません。

以前、ドラマ パレードのブログで自分の物語を紡ぐことの大切さについて触れています。良ければ目を通していただければと思います。

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