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認知症の人所有の住宅、200万戸超と試算 増える空き家に対策急務 【気になる記事ブログ⑦】

認知症の人所有の住宅、200万戸超と試算 増える空き家に対策急務 朝日新聞デジタルの記事から考えてみよう。【気になる記事ブログ⑦】

 

  • 認知症になると不動産の売却、解体など不動産の処分ができなくなります
  • 団塊の世代が後期高齢者を迎える2025年問題には認知症対策が必要です
  • 高齢のご両親がいらっしゃる方は事前に準備が必要です
  • 認知症のことで困ったら、住んでいる地域の「地域包括センター」に連絡しましょう

 

それぞれ一つずつみていきたいと思います。

 

 

不動産の所有者が認知症になると不動産の売却や解体などの不動産の処分ができなくなります

 

不動産の所有者が認知症になると、認知症の症状の程度にもよりますが、症状が重い場合は、「意思能力」を持っていないと判断され、不動産の売買や解体などの不動産の処分ができなくなります。民法では、不動産の売買などの法律行為を行うには、法律行為を行うに十分な「意思能力」が必要だとされています。そのため、認知症になると、不動産を含めた資産が凍結されてしまいます。

根拠となる法律:民法 第三条の二 

法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする。

 

 

団塊の世代が後期高齢者を迎える2025年問題には認知症対策が必要です

 

以前にも2025年問題について記載しましたが、日本では2025年に全ての団塊の世代(1947年~1949年生まれ)の人が全員75歳以上(後期高齢者)となります。令和7年には65歳以上の高齢者が3,677万人となり、高齢化率は30%を超えます。また認知症高齢者の数は、2012(平成 24)年で 462 万人と推計されており、2025(平成 37)年には約 700万人、65 歳以上の高齢者の約5人に1人に達することが見込まれています。記事でも触れられていましたが、民間の試算では、認知症の人が所有する住宅は2021年時点で221万戸あり、2040年には280万戸になると見込まれています。もし事前の準備を行わなかった場合、認知症により売却や、解体できない空き家が280万戸まで増加が見込まれています。

 

 

高齢のご両親がいらっしゃる方は事前に準備が必要です

 

65歳以上の5人に1人が認知症になる可能性があるとされ、認知症は私たちにとても身近な問題です。また誰もが認知症になる可能性があります。そのため、もし自宅を所有している高齢のご両親がいらっしゃる方は、両親の認知症に備えて事前に準備しておいた方がよいと思われます。認知症になってしまってからは「意思能力」がないと判断され、不動産の売却や解体などもできなくなり、不動産をはじめとする資産が凍結されてしまいます。そのために、認知症になる前に、任意後見制度や家族信託など、財産管理を第三者に委託するやり方もあります。興味のある方はこちらまでご相談ください。

任意後見制度や家族信託に関してはまた別の機会で詳細に触れたいと思います。

 

 

認知症のことで困ったら、住んでいる地域の「地域包括センター」に連絡しましょう

 

厚生労働省では、団塊の世代が75歳以上となる2025(平成37)年を見据え、認知症の人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指し、新たに「認知症施策推進総合戦略~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~」(新オレンジプラン)を関係 府省庁と共同で策定(平成27年1月27日)しています。その中で「認知症ケアパス」が提唱されています。認知症ケアパスとは、 地域ごとに、認知症の発症予防から人生の最終段階まで、状態に応じたケアの流れを示したもので、いつ、どこで、どのような医療・介護サービスを受ければよいのか、これらの流れをあらかじめ標準的に示したものです。これは市区町村の相談窓口や、地域包括センターで配られていることが多いようです。高齢のご両親がいらっしゃる方は一度ご両親が住んでる地域の地域包括センターを訪ねてみることをお勧めします。

※東京都発行の認知症のパンフレットはこちらになります。

空き家について他にも記事を掲載しています。よろしければこちらまでご覧ください。

認知症・成年後見制度に関しては、他にも記事があります。よければこちらまでご覧ください。

東京都行政書士会から「空き家相談員」に認定されました。空き家の件でお困りの方はお気軽にお問合せください。

 

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