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【本格的な人口減少社会の到来】11 県では2020 年と比較して 2050 年の総人口が 30%以上減少-国立社会保障・人口問題研究所のデータから2050年の日本について考えてみよう【データから考えてみよう21】

【本格的な人口減少社会の到来】11 県では2020 年と比較して 2050 年の総人口が 30%以上減少-国立社会保障・人口問題研究所のデータから2050年の日本について考えてみよう【データから考えてみよう21】

 

国立社会保障・人口問題研究所から『日本の地域別将来推計人口(令和5(2023)年推計)』が発表されてから、様々なニュースで取り上げられています。

読売新聞デジタル2050年の人口、東京への一極集中が深刻化…46道府県で減少

朝日新聞デジタル東京以外「75歳以上が2割超」 秋田は32%、2050年推計人口

NHKニュース人口減少の日本 2050年にはどうなる 最新データからわかること

 

東京都への一極集中をメインに取り上げたニュースもあれば、人口減少について取り上げたニュースもあります。ここでは2050年の日本がどんな状況になっているのか、国立社会保障・人口問題研究所のデータと国土交通省の「国土の長期的展望」資料からみていきたいと思います。

 

  • 2050年に2020年と比べて、30%以上人口が減少する11県について詳細をみてみよう
  • 2050年も変わらず東京都へ人口が一極集中するという現実
  • 年齢構成が大きく変化する2050年
  • 人口減少社会の中で地域共生社会の実現にむけて

 

それぞれ一つずつみていきたいと思います。

 

 

2050年に2020年と比べて、30%以上人口が減少する11県について詳細をみてみよう

 

2020年の日本の人口は1億2600万人でしたが2050年には1億400万人になると予測されています。30年間で2000万人の人口減となる予測となっています。特に人口減が加速する地域として11県が挙げられています。令和 2(2020)年を 100 とした令和 32 (2050)年の総人口の指数が 100 を超えるのは東京都(102.5)のみとなり、残る 46 道府県では令和 32(2050)年の総人口は令和 2(2020)年を下回ります。なかでも、秋田県の指数は 58.4 であり、令和 2 (2020)年と比べて令和 32(2050)年の総人口は 4 割以上少なくなる見込みです。次いで、青森県(61.0)、岩手県(64.7)、高知県(65.2)、長崎県(66.2)、山形県(66.6)、徳島県(66.8)、福島県(68.0)、和歌山県 (68.5)、山口県(69.0)、新潟県(69.3)の順にこの指数は小さく、これらの 11 県で令和 32(2050)年 の総人口は令和 2(2020)年と比べて 3 割以上少なくなります。(日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)の文章から一部抜粋)またこの11県の特徴は東北地方が5県、四国地方が2県含まれており、11県中7県となっています。

(出所)国土交通省の「国土の長期的展望」

(出所)国立社会保障・人口問題研究所 「日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)」

 

 

2050年も変わらず東京都へ人口が一極集中が加速するという現実

 

人口減少は、46 道府県(東京都除く)で令和 2(2020)年以後の総人口は一貫して減少し、令和 22(2040)年以降は東京都を含むすべての都道府県で一貫して減少すると予測されています。また令和2(2020)年の国勢調査によると、全国の総人口に占める割合が最も大きかったのは東京都 (11.1%)、次いで神奈川県(7.3%)、大阪府(7.0%)の順です。 全国の総人口に占める割合は、東京都や神奈川県では今後徐々に上昇しますが、大阪府では概ね 横ばいで推移し、令和32(2050)年には東京都(13.8%)、神奈川県(8.1%)、大阪府(6.9%)となります。(日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)の文章から全文抜粋)このことから日本の総人口数は減り続けますが、減少傾向が続く中でも東京都への人口の一極集中は今後30年続き、その割合は今より大きくなるでしょう。

 

 

年齢構成が大きく変化する2050年

 

ここまで日本の人口減について述べてきましたが、2050年向けて人口減だけでなく、高齢化も加速します。現在も少子化が指摘されていますが、今後2050年まで0-14歳人口および 0-14 歳人口割合はすべての都道府県で減少傾向となります。15-64歳人口は東京都を除く46道府県で今後一貫して減少しますが、東京都は5年ごとにみる と令和12(2030)年にピークとなり、それ以降減少する予測となっています。(日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)の文章から一部抜粋)15-64歳人口は生産人口といって、労働力の中核となる世代であり、また行政、医療や介護、社会的なインフラを支える人達です。高齢化により、高齢者の人口が増え、生産人口が減ることで、日本の様々なサービスの担い手が減り、社会に対して影響があるのではないかと危惧されています。

また65歳以上人口が総人口に占める割合は、各都道府県とも今後一貫して上昇します。65歳以上人口割合が30%を超える都道府県数は令和2(2020)年では30道県ですが、令和12(2030)年には38道府県、そして令和22(2040)年までに東京都を除く46道府県で65歳以上人口割合が30%を超えるようになります。

■生産年齢人口とは

国内の生産活動を中心となって支える人口のことです。経済協力開発機構(OECD)は15~64歳の人口と定義している。労働力の中核として経済に活力を生み出す存在であり、社会保障を支えている。生産年齢人口に対し、14歳以下を年少人口、65歳以上を老年人口と呼びます

(出所)国立社会保障・人口問題研究所 「日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)」

 

(出所)国土交通省の「国土の長期的展望」

 

人口減少社会の中で地域共生社会の実現にむけて

 

厚生労働省によれば、社会の高齢化に伴い、2025年には全国で推計675万人の認知症の有症者数が見込まれ、2030年には744万人が予測されています。

昨年成立した、「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」(令和五年法律第六十五号)の基本理念は、認知症の人が尊厳を保持しつつ希望を持って地域において安全にかつ安心して自立した日常生活を営むため、地域での共生社会の実現が重要視されています。

高齢化社会では、地域社会がますます大事になってくるでしょう。地域社会全体で高齢者を見守る必要が生じます。

日本社会は戦後核家族化が進み、地縁血縁が弱まり、共同体感覚が失われてきました。特に大都市圏では顕著です。個人化が進んだ社会で、再び地域社会との共生を目指し、取り戻すのは至難の業にみえますが、取り戻す必要があります。またそのために私たちは何をしたら良いのでしょうか。個人単位で自由に生きられる社会も素敵です。しかし高齢化社会にこそ地域での共生が必要です。2050年まであと26年です。共生社会への道を探っていきたいと思います。

また以前より人口減少や共生社会の記事を書いています。よろしければご覧ください。

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